■はじめに

このページは、これから歯医者へ行こうという人のために書きました。私が今までに巡った歯医者は6ケ所です。が、医師によって言うことがあまりに違うのでどうして何だろうと疑問に思っていました。しかし、ドクターショッピングをしたことのない人は、こんな疑問すら湧かないと思います。これから行く歯医者がいい歯医者だったら良いのですが、そうじゃなかったら…。そして元に戻らない治療をされたら…。こんなことを一度も考えたことがない人にこのページを贈ります。

私がドクターショッピングの果てに見つけた答えは、第一は腕が良いこと。第二に相性が良いこと、です。腕の悪い医師は問題外なので、置いといて…。腕の良い医師には大きく分けて4種類のタイプがある、そうです。下にそのことが書いてある文章を引用させて頂きました。私も常々同じ口の中を見ているのに医師によって随分言うことが違うなあ。とは思っていましたが、タイプが違ったのですね。このページを読んでくださっている初心者の方は、これから行く歯医者がどのタイプであるか、分かりますでしょうか?

 

■著者/高澤博幸歯科医師 ■掲載紙/週刊金曜日524号

なぜ、歯科は患者さんの転院が多いのか。 二つの理由が考えられる。

ひとつは何度治療を受けてもよくならないので、 治療の方向性に疑問を感じて別 れたというパターン。 この場合は自分のカラダのことなのだから、 疑問が生じたら我慢せず、担当医に現状と治療方針を 納得いくまでよく説明してもらうことだ。

二つ目は相性の良し悪し。 歯科医と患者さん、 どういうタイプのペアの相性が良いのか、 独断で挙げてみるとー。

職人&無関心ペア、熱血&従順ペア、おしゃべり&不信ペア、召使い&女王様ペア、と分類できるのがわかった。

職人&無関心ペアの歯科医は、 材料と技術に人知れずこだわりを持っている。 診察中はマスクをはずすことなく、目だけを見せて 黙々と仕事をこなす。 一方患者さんは、歯科治療が大嫌いでおまけに無関心。 「すべておまかせします」というタイプ。

熱血&従順ペアの歯科医は、 治してあげるからまかせなさい、私についてきなさいと、 腰に手をやりながら熱く語るようなタイプで、 患者さんは素直で、何でもポジティブに受け止める、 めったにクレームを言わないタイプである。

そしておしゃべり&不信ペアだが、 患者さんが歯科医療不信ということもあって 歯科医はよく説明する。 患者さん主導型なので、現状をふまえた上での 患者さんの選択を大切にする。 このタイプの患者さんは自分のカラダは自分で治す という考え方なので、納得すれば積極的である。

最後の召使い&女王様は、審美の分野でしばしば生じる関係。 歯の形や歯並びを気軽に削って変えてみたり、 健全な歯を抜いて前歯を並べる審美矯正や、 歯の色を白くするブリーチングなどの良し悪しは、 患者さんの好みによる自己満足度による判断の割合が大きい。 時には召使いがカリスマ歯科美容師に一変することもあるのが特徴である。

 

■著者/医療ジャーナリスト 秋元秀俊 ■掲載本/良い歯医者と治療がわかる本

良心的で際だって腕のいい四人の医師

A氏 病気を発症させない、発症した病気をできるだけ進行させないことに熱意をもって取り組んでいる。このため人一倍、検査や患者指導に熱心で、診療は歯科衛生士と二人三脚である。じつは、悪くなったところをきれいにつくり直す仕事も嫌いではないのだが、合理的な考え方の持ち主で、いったんひどくなった口のなかの治療に、理想的な治療結果 などありえないと考えている。

B氏 できるだけ悪くならないように配慮するが、よりよい状態をつくることよりも、できるだけ無理のない自然な状態がいいと考えている。美しさもその患者さんなりに、年をとった患者にはそれなりにという考えだ。だから、できるだけ歯をいじらない。予防的な処置もほどほどだ。病気とつきあうという感じである。何本かの歯を失った患者さんは、いったん治療しても数年のうちにまた問題を起こすものなので、B氏は先を考えた処置をする。このため治療後の見た目の美しさには、少し無頓着だといえるかもしれない。

C氏 理想的な口のなかの状態のイメージをはっきりもっていて、さまざまな治療方法を使ってそのような状態にもってゆく。海外の研究などにはそれほど明るくないが、独自の考え方を実施の臨床経験から学んでつくりあげている。一本の歯の治療でも、口の周囲の筋肉の訓練や矯正処置、外科処置などさまざまな手法を使って、骨と歯、上の歯と下の歯の関係を理想的な状態に回復することに神経を払い、実際そのような治療をしている。ひとことでいえば、職人芸的である。職人芸だけに、変則的な治療もする。 

D氏 理想的な治療のゴールをはっきりもっている。変則的な治療や妥協的な治療はしたがらない。それは、少々患者がセルフケアを怠けることがあってもあまりトラブルが起きないような、安定度の高いゴールである。そのためにあやしいところには、すべて手をつけることになる。歯周病のひどくなった歯は、あいまいなかたちで残さず、抜歯するように患者の理解を求める。実際には患者に応じて数々の妥協をするわけだが、治療後の完成度の高さを理想とする。

私のかかりつけ歯科医師は? ちなみに私は、四人のうちB氏がかかりつけ歯科医師である。(中略)遺伝的に歯ならびがひどい。このせいであごの調子が悪い。とくに何の処置をする必要もないが、一応、年に一度ぐらい定期検査には通 っている。さきに述べたように、B氏は患者が天然歯(かぶせていない歯)の場合、あごの動きが悪い程度のことでは、かみ合わせを積極的に治療してくれない。ちょっと調子が悪いくらいで、かみ合わせにはっきりした問題がない以上いじりたくない、きれいな歯は絶対に削れないという考えだ。C、D氏両氏が、かかりつけ歯科医師だったら、C氏はあごの動きの綿密な検査をして、かみ合わせの調整をしてくれるだようになァ。まあ危険性もある処置だから、B氏が「それはダメ」というのもわかるがなァ。場所が近くてB氏の診療姿勢を高く買っている私でさえ、あごの調子がひどいときには、C、D氏のところに行けば、もっと積極的な治療をしてくれるだろうにと思うのである。

 

■まとめ

イスに黙って座っていた場合、積極的な治療をしてくれるタイプの医師と、積極的な治療をしてくれないタイプの医師がいることが分かりましたでしょうか。どのタイプも腕は良いと言うので、何が問題なのか初心者の人には分かりますでしょうか?

腕の良い医師であっても、治療というものには、危険性が伴います。

また、自分の体のような優れた物の代わりになる物はありません。

どのタイプの医師に治療をしてもらうかは患者さんの決めることなのですが…。初心者の人はよく分からないかもしれません。

私の考えでは、初級・中級のうちは、元に戻せない治療は受けないようにして下さい。最初は、検査だけなどにして慎重に進めて下さい。この病気は緊急に治療を必要とするようなことは何一つありません。体操、薬、歯科等、何かする前には納得がゆくまで調べてから、行ってください。

元に戻せない治療と言うのは、上級者の選ぶ治療だと思います。何年も苦しんで、万策尽きて、その果 てに覚悟を決めて、元に戻せない治療と言うのは受けるものだと思います。

また、患者1人あたりの持ち時間が少ないということもあるのかもしれませんが、医師は、危険性の説明はよくしないものです。しかし質問すれば、親切丁寧に説明してくれると思います。でも、疑問すら湧かない初心者の人は、質問もしないことと思います。危険性についての知識は「医師は説明しない。患者が自分で勉強する」と思っているくらいで調度よいと私は思っています。危険性の説明がなかったから、危険性はないのだろうなどと思わないようにしてください。

危険性の勉強の仕方は「インターネットを使ってたくさんの医者の話を聞く」というのが、簡単でよい方法だと思います。また、患者側のホームページもたくさんあります。患者側のホームページの方が、危険性については強く書いてあることもありますので、両方見ることをお勧めします。

勉強してから歯医者へ行きますと、先生の説明がよく理解できます。そういう意味でも、インターネットでの予習をお勧めします。先生は一生懸命やさしい言葉で説明しようとしてくれるのですが、1人あたりの時間が短くて語りきれないとか、専門用語でしか言いようがないとか、そんな場合もあります。人間、理解できないところは、話を聞いていないものです。そうすると、話の最後に選択権をもらっても選択することもできません。そういう時は、無理に選択せず、とりあえず家に帰ってください。家で落ち着いてからゆっくり調べたり、考えたりしてください。

最後に、私のかかりつけ医師はと言いますと。B氏タイプの医師です。「手をつけない、ゆえに急には良くならない」タイプは「長い時間を経ると良くなる」に化ける可能性があるのです。一例をあげますと、予防指導、様子見などがそれに当たると思います。

ドクターショッピング(初心者編)

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PROFILE/私が考える治療法

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5ケ月目/安静

6ヶ月目/鎮痛剤

7ヶ月目/ツボ

8ヶ月目/体操

9ヶ月目/快復

ドクターショッピング・初心者編
(良い歯医者の探し方)

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