あれよあれよと云う間に、今年も残すところフタ月余りとなりました。風もひんやりと冷たくなってきて、いよいよ冬がやって来ることが実感できますね。
いつものことではありますが、特にこの一ヶ月は慌ただしく、本当に10月は31日もあったのかしらと疑いたくなるほど、早く時間が経ってしまいました。個展に足をお運び下さいました皆様、本当に有り難うございました。この場をお借りいたしまして、再度お礼を申し上げます。個展以降、どのような暮らしぶりだったのか、お伝えすることにいたしましょう。
●お囃子の太鼓を習う●
和物好きの私、とうとう念願の「太鼓」を習うチャンスを得ました。先生は、マサヒロ水野さんとおっしゃる方です。太鼓の先生らしからぬ
名前ですが、それもそのはず、本職はプロのジャグラー(ジャグリングをする人)で、太神楽(日本古来のバランス芸)もなさる方なのです。恐ろしく芸達者でいらして、笛・太鼓もお手のもの。「祭囃子を習いたい」という連中が集まって、彼に師事を仰いでいるわけです。
今、習っているのは、「打ち込み屋台」という、お囃子の中では基本中の基本みたいなものです。「テケ天、スケ天」とリズムを歌で覚えてから、実際にバチを振るうわけですが、これがなかなか爽快。夢中になって繰り返しているうちに、あっという間の2時間が経ってしまいます。
太鼓のリズムは原始的といってもいいほど直線的。それだけに魂に染み入る音楽といえます。どこの国にも、その国独特の太鼓(ドラム)の音楽があることと思いますが、祭囃子は明かに我々のDNAの中に刻み込まれたリズムです。心地いいことこの上無し。だって、以前は村や町の祭りの時には、誰もが何らかの楽器を演奏できたのですからね。太鼓や笛や三味線を操ることは、当たり前だったのです。
祭囃子では笛が太鼓をリードします。笛の官能的な旋律に、太鼓の男性的な響きが加わって、絡み合いながらひとっぱやし。う〜ん、本当に楽しいですよ。
●「おばあちゃんのおにぎり」がひろすけ童話賞●
昨年初夏に出版した「おばあちゃんのおにぎり」(作:さだまさし/絵:私/くもん出版)が、浜田広介にちなんだ「ひろすけ童話賞」を受賞する運びとなりました。イラストを描いた人間は、別
に誉めてもらえるわけではないのですが、自分が携わった作品が、いい評価を得るというのは、やはりとても嬉しいことです。改めて本を手に取って読み返してみました。賞を頂くだけのことはある、素晴らしい作品だと、心から思えます。まだ読んだことがない、とおっしゃるあなた、すぐに本屋さんで入手すべし!ハリーポッターもいいけれど、日本にもいい作品がちゃんとあること、忘れないでくださいね。
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