みなさま、明けましておめでとうございます。
本年も相変わりませず、 宜しくお付き合い下さいますようお願い申し上げます。
昨年が波乱の一年だっただけに、2002年の幕開けが、大変清々しく、期待に満ちたものとなりました。やなこと刷新、悩みもおさらば、新春の喜びに耽った後は、心機一転、新たな気持ちで頑張りましょう!今年もヒガシはやる気満々です。楽しい一年に致しましょうね!
寒さに弱い意気地なしの私、零下20度のスウェーデンから無事生還いたしました。寒いのはもう、めいっぱい寒かったのですが、初めて訪れた北欧には、素晴らしい「もの」「人」「場所」が沢山でした!その一部を、今回は近況報告に書かせて頂きましょう。
●スウェーデン、大好きになった●
今時分のスウェーデンは、緯度の関係で、昼間の時間が随分と短く(ストックホルムだと午前8時半ころに夜が明けて、午後3時には夜になります)、雪空や曇り空が多いうえに、時々顔を見せる太陽の光も弱々しくて、いわば白とグレーと黒のモノトーンの世界です。北欧の夏の美しさを知る人々は、冬の陰気さを嫌って当然かもしれません。でも、私はこの地の冬も、とても美しいと思いました。
たまに、茜色の夕焼けなどが見られた日には、小一時間かけて沈んでいく太陽の「夕焼けショー」を、本当に嬉しく有り難く、美しいものとして楽しむことができましたし、そういう時に、シルエットとして浮かぶ、木々の枝が何とも芸術的だと思いました。凍った湖に石を投げて、「キュン、キュン、キュン……」と音をたてて転がっていく石も素敵でしたよ。日本でも、北国の人は、こういう美しさを日々体験なさっていることでしょう。
街中も、非常に美しかったです。建築物もさることながら、道にゴミが落ちていないのも、人々が歩きながらたばこを吸わないでいてくれるのも嬉しかった!早くに日が暮れてしまうと、店先にロウソクをともして、「まだやっていますよ、是非立ち寄ってくださいね」と客を招くサインを出します。そのロウソクの明かりが何とも温かく感じて……。そして、スウェーデンの人々は、そのロウソクに負けないくらい、温かく、優しく、気さくな世話好きが多かったです。これも、また非常に嬉しいことでした。
●聖ルシア祭のこと●
「ああ、さんさんと輝く陽の光が恋しいなあ」という思いを込めて、12月13日には「セント・ルチア祭」が行われます。元をただせばイタリアの聖人ルシアにちなみ、クリスマスの宗教的な行事の一環であるわけですが、現在ではスウェーデン独特のお祭りとして定着しています。(詳細は、また別
の機会に是非……)
選ばれたルシア役の女の子が(ここにはミスコン的な要素あり)白いドレスに赤い帯をつけて、ロウソクの冠を被って(日本人から見ると一瞬ぎょっとする出で立ちですが、白ロウソクを5本くらい立てた冠です)お伴の女の子たちも手に手に白いロウソクを持って、パレードをしたり、「セントルチア」の歌を唄ったりします。(学校、幼稚園のレベルではここに学芸会的要素も入る)このお祭りには、ジンジャークッキーと、サフラン入りのパンが付き物で、それをみんなで頂きます。
私は、リディンゲーという地区にある、小さな幼稚園に取材に行かせてもらいました。その可愛らしさと、美しさといったら、もう例えようがないくらい。生徒数12人という、小さな幼稚園でしたが、会場にはそれぞれのお父さん、お母さん、お爺ちゃん、お婆ちゃんたちが勢揃いして、可愛い子どもたちの仮装と歌を楽しんでいました。
東洋のヤポン(日本のことよ)から来た、見も知らぬ客人にも、小さな手でこしらえたクッキーやパンを振る舞ってくれて、大感激。(スウェーデンの人たちが、ここまで親切でいてくれるというのは、正直なところ、ちょっと予想外でした)
いずれにしても、恋しい陽の光をたたえるというコンセプトが素敵です。オフィスの窓にも民家の窓にも、太陽や光をモチーフにした電飾の飾りを掲げ、ロウソク(もしくはロウソク型の電飾)をともして、太陽の様に美しい若い娘さんを「光の女王、聖ルチア」に仕立てて、みんなで「太陽恋しいねー、早く春になれ、夏になれ」とお祭りをするのです。寒くて暗い冬を楽しく過ごす知恵ですね。
また、夏のスウェーデンも、見に行きたいです。でも、夏でも冬でも、気持ちのいい思いをしたい人は、北欧の旅、お薦めです。
(2002年1月)
12月13日に行われる「ルシア祭」の時に、幼稚園を訪ねました。聖ルシア役の女の子たちです。
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