1999年の くんぺい童話館 紹介
-------- 童話館ニュース(館長 東 英子) --------
童話館には、二つのテラスがあります。
一つは長方形、もう一つは八角形です。
このテラスには、沢山の想い出があり、物語が生まれましたが、10年間の使用で、傷みがひどく、今年新しく張りなおすことになりました。
長方形は従来どおり木材で、八角形はタイル張りにしてみました。
大工さんと一緒に、スタッフもペンキ塗りに頑張ったかいあって、見事に美しいテラスが出来上がりました。
お弁当を食べたり、家族の団欒のひと時を過ごしたり、愛の語らいの場所にお役に立てれば、どんなに素敵でしょう。
新しいテラスで、来館の皆さま方、近所の方がた、そして、私達スタッフに楽しい想い出が、つみ重ねられることを、願っています。
(1)館内展示は、「君平魔法ばなし はちみつレモン」の中から、青春譜の四点を選びました。
蟻
蟻が 歩いている
蟻は 思う
ちいさな 自分のことなど
誰も見ては いないだろう
蟻は見られている
僕が見ている
蟻に限ったことじゃない
シンプルな絵と、若者の感性で綴った詩は、年齢に関係なく、時代に関係なく、心に響いてきます。
(2)1960年代の「白と黒の世界」から選んだ8点は、童話作家と呼ばれるようになる以前の作品です。
この時代に描かれた絵は、繊細で手のこんだ切り絵の手法は、言うに及ばず、表現力の豊かさ、鋭さに驚嘆するとともに、悲しみ、苦しみ、痛みのなかに、深いやさしさと愛が伝わってきます。
(3)「村の絵本」の原画2点、シルクスクリーン2点、「おはよう童話」から12点、その他の作品群。
東君平の世界の広さを堪能できるとおもいます。
皆さまのご来館を、お待ちいたしております。
くんぺい童話館 東 英子
-------- イベント・ルーム情報 --------
◎ 今年前半(7月31日まで)のイベント・ルーム展示は、
広告や雑誌等で御活躍のイラストレーター:小倉正巳さんによる『森から…』です。
「子供から大人まで楽しめる、あったかいイラストをバックボーンに、クライアントが求めているものに出来るだけ応えられるようにしたいです」とのことです。
(C) Masami Ogura
◎ 今年後半(8月1日から)のイベント・ルーム展示は、東菜奈さんの『ふうせんのはか』原画展です。
温かくて強く“ひとの痛み”を理解できる子どもたちが、一人でも多くなりますように……。世界中から愛される【この国の未来】を祈りながら、未来への宝物、子どもたちへ……。(「あとがき」より)
大反響を巻き起こしている『ふうせんのはか』(くもん出版)は、歌手・さだまさしさんの初めての児童文学作品です。東菜奈さんが絵を担当しました。会場には、新たに描き下ろした大型の3作品も展示されています。
(C) 1999,2000 Eiko Higashi, Artless Art Studio.